クロストーク

トラックドライバー×倉庫内作業職

倉庫業務から荷物の運送まで、物流をトータルでマネジメントするタカスズグループは、タカスズ・タカスズ湘南・元宮サービス・キョーシンという4企業から成り立っている。

倉庫での荷物管理を司る元宮サービスと、配送先への荷物運搬を担うタカスズは、グループ内でも業務上のかかわりが濃い企業だ。タカスズグループが担う「物流」。しかしその捉え方は立場によって大きく変わる。

本記事ではタカスズ・元宮サービス両企業からそれぞれの業務に精通したベテラン社員を招き、倉庫作業員とトラックドライバーという2つの視点からタカスズグループと物流との関係性を見る。また、今後のタカスズグループを支える人材について、「求める人物像」を聞いた。

「たった5分」の遅れが、
最終的に「1時間」の遅れにつながる

ノザワ(倉庫)これまでこうして改めてタカスズの社員さんとお話しする場ってなかったので、なかなか新鮮な気分ですね。普段は仕事の上でしか接する機会がありませんし、倉庫の中からは見えないドライバーさんの現場のお話を伺いたいです。よろしくお願いします。

カトウ(配送)よろしくお願いします。確かに、元宮サービスの方とお会いするのは倉庫で荷物積む時がほとんどですが、雑談をする暇なんてないですもんね。特に朝はどれだけ素早く出発できるかが勝負だからお互い必要なことしか話しません。荷量が多い日でも配送時間は決まっていますしね。
朝、倉庫を出発する時間が5分遅れるだけで、配送が終わるころには1時間のズレになっていたりします。道路の混雑状況も刻一刻と変わりますから、出発が遅れたことで予想していなかった渋滞に巻き込まれるとかなりつらいですね。

ノザワそれはキツい。ドライバーさんはだいぶ朝早いですよね。

カトウ配送するコースによっても違うけど、朝は大体5時には事務所に出勤しますね。それから伝票の整理や仕分けを行って、その日配送する分を倉庫でピッキングしたら8時前には出発することが多いです。

ノザワうちの場合は出勤したら、ドライバーさんがピッキングした荷物を検品して送り出すまでが一仕事という感じです。そのあとはその他のコースの荷物をピッキングしたり、入荷分が届いたらその整理をしたり、倉庫内の荷物のあれこれをする感じですね。ドライバーさんがピッキングするのは朝の分ぐらいです。

カトウ私の所属している課が特殊なんですよね。通常の配送ならピッキングは倉庫側にお任せしていますし。配属される課によって、仕事の内容や進め方は若干異なってきます。

「賞味期限切れは許さない」
使命は安全・安心な商品を届けること

ノザワドライバーさんの荷量が多い時などは「大変そうだな」と思います。もちろん、荷量が多いということは会社としては多くのお仕事をいただけているということですし、少なすぎるよりはいいんですけどね。大変ですけど、嬉しい悲鳴というやつです。

カトウそうですね。たくさんのお客様に選んでいただいているからこそ、スピードを意識して作業をすることが大事になってきます。その点ドライバーとしては、元宮サービスの社員さんにはいつも効率的に荷物の検品をしてもらえていてありがたいです。

ノザワこちらとしてもタカスズのドライバーさんは検品しやすいように荷物を揃えておいてくださるので、とても助かります。荷揃えの仕方によって作業効率がだいぶ変わりますし、検品のミスも起こりにくくなりますからね。
たとえば検品項目のひとつに「賞味期限」がありますが、万が一チェックが漏れて賞味期限切れの商品が店頭に並んでしまったら大事です。私たちと納品先だけの問題ではなく、購入してしまった消費者、店舗、商品メーカーまで巻き込む問題に発展してしまいます。そのようなトラブルを防ぐためにも、荷揃え時点でのチェックは素早くかつ丁寧に行うよう気を付けていますね。

カトウ賞味期限はドライバーも納品時に必ずチェックする項目のひとつですね。万が一にも賞味期限切れの商品を納品しないよう、もし納品できない商品があったら一度倉庫に戻って正しい日付のものと交換してから再度配送します。

ノザワ元宮サービスでは倉庫内の商品管理の一環として、賞味期限が短くなっている商品は弾くようにはしているんですよ。

カトウどのくらいの残日数で弾いているんですか?

ノザワ冷蔵保存の商品なら中3日、冷凍保存の商品なら2週間が平均です。生クリームなんかは商品を入荷した時点で賞味期限まで3日しかなかったりするなど、商品によっても長短がありますから一概には言えません。たとえば、「元々の賞味期限が1年ある商品」にとっての残り1週間と、「元々の賞味期限が10日の商品」にとっての残り1週間では、意味が違ってきますよね。

カトウ細やかなチェックと品質管理にこだわる姿勢はドライバーにとっても参考になります。

先輩の経験から学ぶ 成長しやすい社員教育

ノザワタカスズグループは今どんどん新しい人を採用しようとしているじゃないですか。グループ各社によって活躍している人たちのカラーってありますよね。うちであれば「体力があって、明るい性格で、周りをよく見てテキパキ動ける人」みたいな。タカスズさんだとどうですか?

カトウうちの場合はドライバーが直接配送先のお客様と接する機会があるので、「挨拶ができる」とか「思っていることを表情に出さない」とかでしょうか。「大人の対応ができるかどうか」というか。企業で働く社会人としては当たり前のことだとは思いますが、その当たり前がしっかりできるカラーがあるからこそ、多くのお客様から信頼が得られているんじゃないかな、と。

ノザワそれは大事ですね。作業そのものは仕事を繰り返しているうちに覚えられますが、心構え的な面は口で言うだけで身につけられるものでもありませんし、どうやって教えようかなといつも悩んでいます。
倉庫内作業の内容は経験の無い人にはイメージしにくいかもしれませんが、ちょっとしたミスが大ケガにつながる可能性のある危険な仕事です。私が新人を教える時は、商品を丁寧に扱う事はもちろんですが、それ以上に「どうすればケガをしないか」という安全意識を持つことを重要視していますね。
私自身、自分の不注意からケガをしてしまった経験もありますが、ケガをすると治るまでは仕事ができなくなってしまうこともあります。そうなれば個人的な不利益を被るだけではなく、仕事ができない分、仕事仲間や会社にも負担を強いてしまいますから。

カトウ良いことも悪いことも、先輩たちが経験してきたことを伝えることで、若い世代の人たちが同じ苦労をしなくても仕事ができるような環境を整えていきたいですね。

すべての基盤は「人」

ノザワタカスズグループで働く魅力というと、私は「人の良さ」が大きいなと思っています。どんな会社でも多かれ少なかれ人間関係での悩みってあるものだと思いますが、タカスズグループで働き始めてからは「この人、接しにくいな」と感じることがほぼない。人間関係が円滑で、楽しく働ける環境があるからこそ15年も続けていられているんだと思います。

カトウそれは分かる気がする。働いている人たちの人柄もそうだし、働いている人を大切にしてくれる風土もそうだし。たとえばトラックドライバーは身体を使うお仕事なので、歳をとるにつれて若い頃のように動くのが困難になる場合があります。そういう場合でも、そのドライバーの現状に見合った作業内容や、負荷の軽い別コースに担当を変えるなど臨機応変に対応してくれます。負荷の軽い別のコースに担当を変えるとかの対応になるんですよ。
仕事ですから仕事ですから無理をしなければならない頑張り時はあると思いますが、とは言え「どうすればその人が活躍できるのか」ということを考慮して働き方を提案する文化があります。

ノザワ確かに。「物流」というとスケールが大きくなりすぎて、全体の流れでしかとらえられなくなってしまいますけど、結局現場を見れば人が一人ひとり働いて動かしているんですよね。「人を見る」という会社の姿勢からも、そのことがよく伝わってくるなと。

カトウそうですね。「姿勢」みたいな心構え以外の面でいえば、トラックやフォークリフトの運転免許を会社の費用で取得できるのは分かりやすい魅力かも。タカスズ湘南なら水回りの施工とかも。あとは、物流の仕事って時間に追われ続ける仕事なので、限られた時間でいかに効率よく動くかという考え方や集中力が身につきます。
安全に関する講習や仕事で使う技能の講習なども定期的に開かれるので、いわゆる「仕事を盗め」「見て覚えろ」的な職人気質は薄いんじゃないでしょうか。

ノザワうん。この業界未経験で入社される方でも順を追って業務を覚えていける環境がありますね。

求職者へのメッセージ

カトウタカスズは、物流を担う企業です。物流って、普段の暮らしの中で「当たり前」だと思っていることが当たり前であるために必要な仕事なんですよね。でも当たり前なものって皆の目に映っていなかったりする。それでもこれをやるんだ、って誇りを持てる人が続いていくと思います。

ノザワ元宮サービスもタカスズ同様に物流の一翼を担っていますが、「倉庫」という拠点にこもっているために物流全体とのつながりを見失いやすい側面もあるかと思います。しかし倉庫があるからこそ企業は商品を大量に作ることができるし、大量に作れるからこそ消費者が買いやすい値段に抑えられるわけです。「ただ荷物を右から左へ動かしているだけ」ではない、ロマンを感じ取れる方は楽しく働けるのではないでしょうか。