タクシー業界の基礎知識

知っておきたい
タクシー業界の基礎知識

タクシードライバーというと「勤務時間が長くてキツい」「収入が安定しない」「乗客とのトラブルに巻き込まれそう」といったネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。
確かにタクシー業界にはさまざまなハードルがありますが、ネガティブなところばかりではありません。勤務時間の自由度、自己裁量が大きい給与体系など、他業種にはない魅力もあります。
ここでは、これからタクシー業界にチャレンジしてみようという求職者向けに、タクシー業界の現状と今後の展望について基本的な情報をお伝えします。

タクシードライバーの一般的な仕事内容

タクシードライバーの仕事は、一般に知られているように「お客様をある地点から希望する地点まで車で送り届け、移動距離に応じた料金をいただくこと」です。 お客様を乗車させる手段としては、一定のエリアを巡回し道端で乗客を見つける「流し」と呼ばれる方法。 また、お客様からの配車依頼を受け、その場所まで直行する「迎車」、駅などの施設の待機場でお客様を乗せる「駅待ち」等があります。

ドライバーだからといって車両の運転だけが仕事ではなく、お客様が乗車している間の接客もメインの業務です。 「接客」といってもかならずしもお客様と世間話をする必要があるわけではありません。相手の様子を見ながら、居心地のよい乗車時間を演出することがタクシー業務における「接客」です。

主な勤務形態

タクシードライバーの勤務形態の基本はシフト制です。大きく分けると一般的な会社員同様に朝に出庫し夕方に帰庫する昼日勤務、 夕方に出庫し翌朝に帰庫する夜日勤務、1出勤18時間ほど勤務する代わりに1日おきに休暇を設ける隔日勤務の3つに分かれます。 乗務員それぞれの生活スタイルに応じて、働きやすい勤務形態を選択できる場合もあります。

当社の勤務形態別の月間スケジュール例はこちらをご確認ください。

また、当社は月毎のシフト制であるため、希望休等事前に申告いただくことで調整することが可能です。 働く時間帯や休日を比較的自由に設定できることから、タクシードライバーはご自身のライフスタイルに合った働き方をしやすい仕事だと言えるでしょう。

給料の水準

これから働こうという方にとって特に気になる「給与」について、タクシードライバーは「基本給+歩合給」で月収が決まっていることがほとんどです。 歩合の割合(バック率)は企業によって異なります。

日本全国のタクシードライバーの平均年収は299.6万円ですが、都道府県別に見た場合東京都は338.1万円、神奈川県は318.3万円というデータが発表されています(出典:令和2年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)。

良くも悪くも個人の技量や社会的な時勢による振れ幅が大きい職種です。他職種と比べても基本給の水準は低めですが、ドライバー本人のやる気や経験、スキル次第では大きく稼ぐことも可能です。
当社においては月の営業収入が100万円以上、月収にして約60万円をコンスタントに達成している乗務員も在籍しております。

必要な資格

タクシードライバーとして業務を行うために必要になる資格は「普通自動車二種免許」です。普通自動車二種免許を取得するには以下の要件を満たしている必要があります。

  • 満19歳以上(※普通自動車一種免許を取得できる年齢が満18歳からなので、自動的に最速で満19歳からとなる)

  • 普通自動車免許等の取得後期間が通算1年以上経過していること

普通自動車二種免許の取得には学科試験と実技試験によるテストに合格する必要があります。また自動車教習所に通って学科と実技の教習を受けることになります。教習、受験、免許交付にはそれぞれ費用がかかりますが、未経験応募OKの企業の場合、費用は企業が負担してくれることがあります。

また、公的な資格ではありませんが、乗務を行うエリアの交通状況に精通しておくことも大切です。とはいえ現在タクシー会社で使用されている車両の多くにはカーナビが搭載されているため、最初から道を暗記している必要はありません。乗務を通じて覚えていくことも可能でしょう。

タクシー業界のトレンド

タクシー業界全体の傾向としては、2008年のリーマンショック以降、タクシー利用企業の業績悪化に伴う「タクシー離れ」で大きく市場規模を縮小させました。 2019年から2021年には新型コロナウイルスの感染拡大によって人の移動が制限され、タクシー業界を含む旅客業界は各社苦しい状況にありました。 しかし現在は回復傾向にあり、特に車両1台の1日当たりの営業収入はV字回復を見せています。

業界の課題としては、乗務員の高齢化によって安全性の確保が難しくなっていくことや乗り手が不足することが挙げられます。 業界全体で「若返り」を目指した仕組みづくりが求められています。

かつてはドライバー個人の土地勘や経験などにもとづいた「職人技」的な面を色濃く残していたタクシードライバーですが、 現在ではカーナビやGPSなどの車載機器が発達・充実しており、未経験者でもある程度の水準で業務ができるように変化してきているといえます。

またキャッシュレス決済が導入されたり、配車アプリが浸透したりと技術面の変化も起きており、タクシーがより身近な存在として受け入れられる素地が整ってきていると考えられます。

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